あうと・おぶ・ばうんず


パソコン頓死始末記

今年の7月某日昼下がり、いつものように蒸し暑い日であった。蝉がギャンギャン鳴いていた。
午後の診療前にわたしはいつものようにパソコン(以下PCと略)のスイッチをいれた。
いつもなら数十秒後にたちあがるのが、、なぜかいつまでたっても画面は暗いまま、、、、
そのうち、「システムファイルXXXをよみこむことができません」のわけのわからんメッセージが、、、ようやくわたしは容易ならざる事態となっていることを理解しはじめた。

PCが壊れた?!

買ったのが4年前、WINDOWS Xp PRO EDITION と、いちおう最新の機種だったのに、、、もしかしてハードデイスク(以下HDと略)がクラッシュした?!
最近になって多少は使いこなせるようになったとは言うものの、PCに関して、特にハードでは素人同然のわたしは途方にくれた。。。しばし呆然自失のあと、気を取り直して天王寺の某パソコンショップに電話してみた。(ここは以前ソフトを購入したこともあってちょくちょく利用している)
係りの人に病状を説明した後に下された診断は、「PC HDクラッシュシ ンドローム」の疑い濃厚、ともいうべきもので、悪性疾患の部類にはいるとのこと。とりあえず拝見しましょう、ってわけで、翌日PCかかえていきましたよ。
最新の検査診断装置による検査の後下された確定診断はやはり、「PC HDククラッシュシンドローム」。HDは一分間に何千回転もしている精密機械だそうで、物理的に壊れることはよくあるらしい。変形性膝関節症みたいな変性疾患というわけか?いや、突然発症する、という意味では外傷性腱板断裂?それともアキレス腱断裂のほうがあたってるか?(これもあたりはずれがあって、自宅のPCはWINDOWS98は8年以上つかってるけれどまだ現役である。なんの支障もない)

「バックアップはおとりになってたんですか?」
「いえ。。。。。」(バックアップとっとくのが常識だろうが、、てな顔で )
「ではデータの復元は難しいですねえ。。」
「困りましたねえ、、、、、なにか方策は?」
「あるにはあるんですが、、、、専門家に依頼するのでコストがかかりますよ」
「とりあえずお願いします」

というわけで高次救命救急センターへわが愛しのPCは搬送されていったのだ。
このへんは、癌ですが、どうします?OPEしますか? ってな感じか。選択の余地はないんだからね、当方は。
考えてみれば、インターネットバンキング、メール、ワード・エクセルのデ ータすべてが一瞬にしてお釈迦になったわけだ。レインボー会の記録も、、、
嗚呼、、、やはりバックアップをとっておくべきだった、、後悔さきにたたず、、、覆水盆にかえらず、、を地でいったわけだ。
生来無精のわたしは面倒なことはきらいなのだ。
まあ、おきてしまったことはもうしかたがない。わたしは常に前向きなのである。
とにかく次のPCを買わなければ、ってことで、専門家のご意見を参考に選んだのがGATEWAYの320GBの大容量の中級機種、ほかにソフトや、バックアップ機器なんかをいれてしめて40万円くらいの出費!!
これだけでも十分痛かったのだが、高次救命救急センターからの「HDデータ復元見積もり報告書」には、「データの復元はほぼ可能、御代 36万9800円」とあった。
一瞬卒倒しそうになりましたよ、、一桁違うんじゃないの?
でどうしたかって?調査費用15000円也お支払いしてあきらめましたよ、、泣く泣く、、、
でも重要なデータは紙に焼いていたのでなんとかなりました。また入力するのは面倒ですが、、 これは自業自得ですわ。
それよりも4年かかってしこしこ集めた、膨大な量の「ご禁制の」画像に動画コレクショ ンがすべて昇天してしまった、、、貴重な秘蔵の「お宝」コレクションが、、、、これが実に痛かった。
(おわかりのかたはおわかりでしょうが、、、、、、、その痛さは。これだけはDVDに落としとくんだった!)

教訓1. PC、特にHDは必ず壊れるものと心得よ  悲劇は突然やってくる 地震と同じ

教訓2. かならずバックアップをとるべし
      特に青春と壊れたHDと貸したO本はかえってこない
貴重な映像は文化遺産として特に保存に留意すべし
             (いまは毎日自動でバックアップしてます)
聞けば電子カルテを使ってる先生は二重三重にバックアップされているとか

教訓3. かかりつけのPC専門医をもつべし
       気楽に相談できるPC専門家は貴重な財産

わたしは医院のホームページを作成更新してもらっている会社の人にバック アップシステムの構築や新しい設定やなんやかや(いまだになにをしたのか わからんものもあり)で手伝ってもらいました。 まさに餅は餅屋、です。それは見事な手際でした。

 PCが苦手だ、嫌いだ、といっていたわたしもいつのまにかPCなしでは暮らせなくなっていました。
 それだけに今回のPC頓死事件で、常日頃からの危機管理の重要さを思い知らされました。
 みなさんもどうぞご用心召されよ!

(おわり)