あうと・おぶ・ばうんず


うさぎ日記

 2年前に我が家にうさぎがやってきた。何かペットが欲しかったところ、ちょうどテレビで特集をやっていたのを見て、うさぎを飼う事にした。
 早速神戸の”うさぎ専門店”にいってみて驚いた。黒白茶色、耳がぴんとなったの、耳が垂れたもの、毛の長いの、短いの、いろいろである。そのなかでホーランドロップイヤーという、オランダ原産の、いわゆる耳垂れうさぎを選んだ。性格はひとなつこく、飼いやすいとのことである。垂れた耳が可愛かったので、そのまま、”みみ”となずけた。
 添付の血統書によれば・彼女の母方のお爺ちゃんが、全米うさぎコンクールのグランドチャンピオンとある。なかなか由緒正しい。
 当時で生後4ヶ月、出生地アメリカからはるばる太平洋を渡ってやってきたのである。体重は600gと両手にちょうど乗るくらいだったのが、今では2kgを越え、順調に成長している。うさぎ専門書によれば、人間でいえばもう十分に大人であるとのことである。そういえば、ごろんと足を投げ出して横になっている後姿はなんとなくなまめかしい。酔っ払って帰ったときに、可愛がるつもりで頬ずりをしたり、お尻をなでまわすのはセクハラにあたるのではないかと心配している。(本人は格段いやがってはいないようだが。)
 うさぎの糞は、パチンコの球大のものが一日3-4回、一回につき40-50粒、乾燥していてころころしている。ちょうど歯ブラシでゴルフのパットの練習ができるので、そのうち下手なパットがうまくなるかも知れない。
 うさぎの視界は360度近くあるという。よく見ると確かにバセドウ病のように眼球が突出している。人間だったら直ちに甲状腺機能検査をされるであろう。
 餌を食べるのを真近でみていると、口が、いわゆる”兎唇”である。学生時代のポリクリを思い出した。なんといっても”兎の唇”をこんなに近くで見たのは初めてである。なるほど、これがそうか、と納得がいった。このように、うさぎは形成外科の研鎮にも役立つ事がわかった。
 時に1mちかくもジャンプすることがある。跳ねて走り回っている様は、まさに”脱兎のごとし”である。よくみると、下肢の足が幅、長さともに上肢より格段に大きくなっており、いかにも安定している。また、股関節および膝関節周囲の筋肉および靭帯が非常に発達している。スポーツ医学の見地からも、ジャンプおよび疾走に適した構造になっていることがわかる。これは、狐などの天敵から身を守る必要があったからだろう。そういえば体型もゆるやかな流線形である。また、聴覚を発達させる必要があったことから、耳も大きく長くなったのだろう。まさにダーウィンの進化論そのものである。うさぎは生物学の勉強にもなることがわかった。
 うさぎは鳴かないと思っていたが、まれに興奮したときなど、ブーという短いうなり声をだすことがあるのを初めて知った。また、餌の茶碗をひっくり返したりして、”オリから出してくれ”、”腹がへった”などの意思表示をする。なかなか賢い。
 老人ホームで痴呆症や鬱病の治療に犬などのペットを用いて効果があったとの事である。さすがに、自分はまだそのお世話にはならないと思うが、ペットがストレスを癒してくれるという、いわゆるアニマルヒーリングの効用はあるのではないかと思う。確かに彼女と遊んでいると、一日の疲れが癒される様な気がする。一度神経科の先生に尋ねてみよう。
 まだまだおもしろい事がたくさんあるのだが残念ながら紙面が尽きた。続きはまたの機会にしよう。
 今年の干支のせいもあり、うさぎを飼うことがブームとのことである。何かペットを”とお探しのかたには、迷わず”うさぎ”をお勧めする。いろいろと楽しい発見があることうけあいである。