Story 骨粗鬆症編 慢性関節リウマチ 小児整形編 変性疾病編 スポーツ障害編 一般整形外科編
22 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21

 手首の腱鞘炎
   〜サポーターやテーピングで安静に
     温熱療法や運動療法でリハビリを〜

質問
 最近、パートでスーパーのレジの仕事を始めたところ、右手がはれて激しく痛むようになりました。そのうち曲げることも不自由になってきましたので病院で診察を受けたところ、手首の腱鞘炎といわれました。どのような病気なのでしょうか。(阿倍野区46歳主婦)

回答
 手の指や手首を精密に動かすには、数多くの筋肉や腱がバランス良く組み合わさった複雑な動きが必要となります。手が精密機械といわれるゆえんです。そして、これらの筋肉や腱を包み込み、つまりなく滑らかにすべり、安定した動きができるようにする筒状のものを「腱鞘」といいます。筋肉や腱を"刀"とすれば"鞘(さや)"にあたるものです。手指や手首を繰り返し使ったりしていますと、この組織に炎症が起こり、この筒が狭くなってきて筋肉や腱の動きが悪くなり、はれや痛みを伴うようになります。これを「狭窄性(きょうさくせい)腱靴炎」といいます。質問者の場合は、レジの操作など、よく手指や手首を使う仕事に従事していたため発病したものと考えられます。一般に中高年の女性に多くみられる病気です。

 治僚は、まずなるべく手首を動かさないように、サポーターやテーピングで局所の安静保持を図ります。仕事はしばらく休むことが必要です。そして、温熱療法や低周波刺激、温水につけて軽く動かす運動療法などによるリハビリテーションや消炎鎮痛剤の投与を行います。必要ならステロイド剤を腱鞘内に注射します。狭窄による動きの制限が高度の場合や疼痛(とうつう)がひどく日常生活に障害をきたす場合などは腱鞘切開の手術を行うことがありますが、ほとんどの症例は後遺症なく完治しす。整形外科専門医で治療を受ければ心配ありません。



←back next→