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 右肘が痛い 小6の息子
     〜 離断性骨軟骨炎とは〜

質問
 質問
小学6年生の息子のことでお尋ねします。少年野球で投手をしていますが、最近、投球時に右肘(ひじ)の痛みを訴え、病院で診てもらったところ、「初期の離断性骨軟骨炎」といわれました。どのような病気でしょうか。(西成区主婦40歳)

回答
 「離断性骨軟骨炎」は、いわゆる「野球肘」といわれるものの一つです。野球をやっている成長期の小・中・高校生に多いのでこう呼ばれています。

 成長期に、過度の投球などでストレスを肘関節に受けた時に、肘関節を形成する「上腕骨末端部分」の内側の軟骨が、摩耗して変形することで、肘関節の痛みや腫れが生じた状態をいいます。

 この時期は 1.筋力が未発達 2.肘関節の骨、軟骨が成長途上で、成人と比べて軟らかいため損傷をうけやすいなどが原因です。ひどい時には損傷した骨がはがれて関節内に遊離してしまい、肘を動かせなくなることもあります。

 治療は、まず、痛みがなくなるまで投球動作をやめ、その間、温水内での肘関節の屈伸運動、低周波による電気治療、温熱療法などのリハビリテーションを行います。痛みがひどい時はギプス固定をすることがあります。

 2〜3か月で症状の改善がみられたら、徐々にスポーツに復帰しますが、再発しないように慎重な経過観察が必要です。こうした治療を一定期間行っても完治せず、関節の変形や破壊がひどい場合は、手術療法を選択します。

 この病気は整形外科専門医が生活指導も含めて計画的に治療を進めます。スポーツの指導者も、無理のない練習計画をたてたり、子どもら一人ひとりの体調に気を配り、異常の早期発見に努めて欲しいと思います。



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