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骨粗鬆症の治療について(食事療法 後編) |
骨粗鬆症の食事療法において、カルシウムの重要さはおわかりいただいたことと思います、では、カルシウム以外の栄養素はどのようにとればいいのでしょうか前述したように、骨にとって重要な栄養素にはカルシウム以外にリン・マグネシウム・フッソ・亜鉛などがあります。これらをバランスよく摂取することも必要です。以下に列挙して説明します。 |
1 | 良質のタンパク質 |
卵・魚・乳製品・大豆製品などの良質のタンパク質を一日65g以上はとりましょう。この程度のタンパク質量は通常のバランスのとれた食事であれば摂取できます。要は先述した様な食品に含まれる良質のタンパク質を摂取することが大事です。 |
2 | ビタミンD |
ビタミンDにはカルシウムの腸管よりの吸収を促進する働きがあります。レバー.イワシ・カツオなどの魚、しらすぼし、牛乳、卵、キノコ類に多く含まれています。 |
3 | 緑黄色野菜 |
ビタミンやミネラルが豊富に含まれていますので、バランスよく摂取するようこころがけてください。 |
ではバランスのとれた食事をするのにはどんな点に注意すればよいのでしょうか? |
1 | 低塩・低コレステロール |
骨粗鬆症の患者さんには高齢のかたが多いため、高血圧、糖尿病などの合併症を予防することが必要です。 |
2 | 加工食品の過剰摂取を避ける |
インスタント食品などの加工食品にはリンが多く含まれています。リンのとりすぎはカルシウムの吸収を妨げます。 |
3 | 無理なダイエットはしない |
ある調査で.20才の女子学生の一部に無理なダイエットによる栄養バランスの乱れが原因と考えられる骨量の減少がみられました。学校教育の場でこういったことのないよう、食事と骨粗鬆症についてきちんと指導することが必要です。 |
3 | 調理のしかたの工夫を |
高齢者の食事では、食べやすいように材料を小さく切ったり、柔らかく仕上げるなどの心使いが必要です。毎日緑黄色野菜を欠かさず、肉類よりも魚介類を積極的に摂取し、時には豆腐やひじきも食卓に加え、毎朝牛乳をコップー杯飲む一このような食生活で800-1000mg程度のカルシウム量を確保することができます。今後の食生活の参考になさってください。尚、ホウレンソウや穀類、豆類にはある種の酸や食物繊維が含まれており、これらがカルシウムと結合して、腸管からの吸収を妨げることがありますので、注意が必要です |