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第2話  骨粗鬆症の治療について(食事療法 前編)

1 はじめに
前回の第1話では、骨粗鬆症について全般的なお話をしましたが、今回は、骨粗鬆症の治療について、特に食事療法をとりあげてお話します。毎日の食生活と骨粗鬆症の発症は密接に関連しており、骨粗鬆症を予防するためにも食事療法について理解することは重要です。まず骨の組成などの基礎知識から具体的な献立まで順に説明してゆきます。

2 骨は何からできているの?
骨といえばカルシウムを思い出されるかたが多いかと思います。確かに、カルシウムは骨の最も重要な成分で、体内のカルシウムの99%は骨にたくわえられていますが、実は骨は、カルシウム(Ca)だけではなく、リン(P)やマグネシウム(Mg)、フッ素(F),亜鉛(Zn)などのいろいろなミネラルにタンパク質がくっついてあの硬い骨を形作っているのです。したがって、カルシウムだけではなく、これらにくわえて、ビタミン類を含めた種々の栄養素をバランスよくしっかりと食べることが食事療法の基本となります。
3。

3 カルシウムをしっかりとるにはどうすればいいの?
なんといっても骨の主成分はカルシウムです。カルシウムの摂取量が少ないと骨量が減って骨粗鬆症の原因となります。成人の場合、カルシウムを毎日最低600mg、できれば800-1000mgを摂取するのが望ましいとされています。別紙の表を参考にして、日頃の食事にあと2単位の食品を追加して下さい。(注;1単位;カルシウム200mg)また、牛乳はわずかコップ1杯で1単位ですから、効果的にカルシウムが摂取できる理想的な食品といえます。牛乳の苦手な人は、ジュースやスープに混ぜたり、グラタン・シチューなどの料理に使ったりして工夫してみるとよいでしょう。また、牛乳で下痢をする体質のかたは、特殊なミルクが市販されています。

4 カルシウム以外の栄養素はどのようにとれぱいいの?
前述したようにカルシウム以外に骨にとって重要な栄養素を摂取することも必要です。

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