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 膝が痛む、膝に水がたまる
ー変形性膝関節症の予防と治療について

 膝関節の痛みや腫れをきたす病気には、慢性関節リウマチ、骨腫瘍、スポーツによる膝の障害などのたくさんの種類がありますが、今回は比較的高齢者に多い病気である変形性膝関節症について御説明いたします。

1 変形性膝関節症とはどんな病気でしょうか?
 関節にある柔らかい骨b軟骨が繰り返し受けるストレスや外力によりいわば摩耗変性することにより発症する、いわば関節の老化現象の一種と考えられる病態です。多くが50歳台に、表題のような症状で発症しますが、最も多いのは60歳台で、男女比は3:1と女性に多くみられます。レントゲンで、関節の隙間が狭くなっていたり、骨のトゲがつきでていたりする所見がみられます。ただし、前述のように他の疾患との区別が必要ですので、かならず整形外科専門医に診察してもらってください。

2 どんな治療法がありますか?
 大きく分けて、手術をしないでする治療(保存的治療)と手術による治療があります。
A.保存的治療
 いたみをやわらげるために、消炎鎮痛剤などをもちいる薬物療法とリハビリテーション(膝関節周囲の筋肉を鍛えることで関節への負担を軽減するなどの目的でおこなう運動療法や低周波やホットパックなどの電気治療や温熱療法)が主体ですが、最近関節内に摩耗した再生をうながす薬を注射する治療法が高い効果がえられ注目されています。関節に水がたまっている場合は注射器でぬくと楽になります。ここで、注意していただきたいのは、俗に“関節の水をぬくとくせになる”あるいは“関節に注射すると骨が腐る”といったことは迷信であるということです。確かに昔はそのようなことがあったようですが、現代医学ではこのようなことはありえません。これらの治療を一定期間おこなっても効果がえられない、あるいは関節が高度に破壊されてしまった、などの時に次に述べる手術治療が検討されます。

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