Page Top 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

 膝が痛む、膝に水がたまる
ー変形性膝関節症の予防と治療について2

2 B.手術治療
 大きくわけて、関節を残す手術(矯正骨切り術)と痛んだ関節をそっくり換える手術(関節置換術)があります。詳細は省略しますが、いずれも専門医の慎重な判断が要求され、技術的にも難しい手術ですので、主治医とよく相談してください。

3 ふだんからはどのようなことに気をつければよいのですか?
 まず日常生活の注意としては次のような事が大切です。
1) 一日に歩く距離を短くしたり、階段ののぼりおりを控える、あるいはエレベーターを利用する:膝関節は車でいえばタイヤのようなもので、歩くとすりへる消耗品だと考えてください。歩いて膝を鍛えればなおるという人がいますが、とんでもない勘違いです。
2) 肥満に気をつける:実際に肥満した患者さんが5キロ減量しただけで痛みが軽くなることがよくあります。
3) 入浴や湿布などであたためることは効果的です:温泉旅行はおおいに結構
4) 冷えないようにサポーターなどを使う:できれば医療用のもの
5) ハイヒールはよくありません
6) 膝への負担をへらすために杖をつく:昔からころばぬ先の杖といいます
7) トイレは和式よりも洋式がよろしい。また正座はなるべく避ける:この病気が日本人に特に多く、欧米人には少ないことの意味を考えてください。
8) 運動療法により膝関節周囲の筋肉のちからをつける。(別紙参照)
9) 薬は整形外科専門医の指示にしたがって必要なときに飲みます。また、注射などの治療もよく説明をうけて納得してからうけてください。
10) 骨粗鬆症は大敵:ちょうど発症年齢が重なりますので要注意です。

4 ほかに気をつけることはありますか?
 繰り返しになりますが、最初に述べましたように、膝の痛みなどの症状がほかの思わぬ大きな病気が原因となっていることがあります。“ホネツギで漫然と治療していたら、癌の骨への移転だったために手遅れになった”といった悲惨なことが臨床の場ではよくみられます。かならず整形外科専門医の診察をうけるようにしてください。


←back next→