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 高齢者に多い骨折の予防と治療

 高齢化社会を迎えて、脊椎圧迫骨折や大腿骨頸部骨折などによるねたきり老人の増加が社会的な問題となってきています。高齢者の骨折は、若年者とどのような違いがあり、どのような特徴があるのか、またその予防と治療はどうするのかについて、御説明いたします。(尚、ここで用いる“高齢者”とは、一応60才以上を対象とします。また、若いかたは診断や看護の参考にしてください)

1 高齢者の骨折の特徴
1) 骨が脆弱となっており、ちょっとしたことで骨折しやすい。b老人の転倒に際して、その5%が骨折に結びつくといわれています。
2) 若い人とくらべて俊敏さ、筋力が低下しているため、転倒しやすい。
3) 骨粗鬆症や糖尿病、脳梗塞(半身麻痺)、パーキンソン病、老人性痴呆などの基礎疾患を有するひとが多く、これらは1)や2)を増悪する因子となる。
4) 粉砕骨折など重大な骨折になりやすい。

2 多くみられる骨折の種類とその診断のポイント
1) 胸腰椎椎体圧迫骨折
急にふりむいたり、物を持ち上げた時に腰背部に激痛、歩行不能となった。
2) 大腿骨頸部骨折
転倒した後、股の付け根が痛くて歩けなくなった。
3) 橈骨遠位端骨折
手をついて転倒した後に手首が腫れて、フォークのように変形して痛む。
4) 上腕骨頸部骨折
肩を打撲した後腫れて痛み挙上ができない。
5) 肋骨骨折
くしゃみをしたり、打撲したあと、咳をしても脇腹が痛む。

 ★これらの骨折は、若い人では交通事故などで極端に大きな外力が加わらない限りまずおこりえません。上記以外でも、外傷後に腫れや痛みがなかなかひかない時は一応骨折を疑ってかならず整形外科専門医を受診するようにしましょう。


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