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 ジョギングとウオーキングのスポーツ医学3

 次に、ジョギングと整形学的な障害について、まず膝関節についてお話します。
 いわゆるスポーツ障害の約4分の1を膝関節が占めており、詳細なデーターはありませんが、ジョギングによるスポーツ障害も、おそらく同程度を膝関節が占めているものと推定されます。膝関節におこるスポーツ障害は、膝関節内外の靱帯の損傷や関節内の軟骨組織である半月板の損傷などの急性外傷性の疾患と、靭帯や腱の炎症などの慢性非外傷性の疾患とに大別されます。ラグビーやテニスなどに比べてジョギングはその運動の特性から、非外傷性の疾患がより多くみられるようですので、外傷性のものについては別の機会に譲り、非外傷性のものにつき、代表的なものを御紹介します。
(次のページの膝関節の解剖略図を参照してください)
1) 膝蓋靭帯炎
 ジョギングの着地の際に、膝蓋骨下端部が痛みます。過度のストレスによる靭帯の損傷にともなう炎症が原因です。
2) 腸脛靭帯炎
 大腿外側部の圧痛と運動時痛が特徴です。過度のジョギングによるストレスにより靭帯炎をおこしたものです。
3) ランニング膝
 これが中高年のジョガーに最も多く発症する膝痛の原因疾患です。走る時、あるいは走った後の膝全体の鈍痛が特徴です。中年期以降の膝関節は柔軟性や筋力が低下しており、関節の老化である、変形性膝関節症を合併していることが多いという医学的条件に過度のストレスが繰り返し加わることが原因です。


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