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 ジョギングとウオーキングのスポーツ医学2

 例えば、空気の清浄な郊外ならいざしらず、大都市のジョガーは車の排気ガスや工場の煙突の煙が充満する空気を肺の奥深く吸い込みつつ走らなければなりません。せっかく禁煙したというのにこれではタバコよりも汚れた空気をわざわざ吸っているようなものです。また、ジョギングは適度な堅さの土の上を走るのが理想ですが、土の道路がなければ、腰や膝を痛めやすい堅いアスファルトを走らなければなりません。そして、深刻なのはジョギングにより体内に発生するといわれる活性酸素の健康への影響です。活性酸素は、血管などを侵し老化を促進するといわれています。今のところジョギングにより老化が促進されるという確たる証拠はありませんが、今後注目してゆく必要があります。また、炎天下などでの長時間のジョギングで、ミネラル分が喪失して下肢の痙攣がおきたり、日射病による心不全を発症することがあります。最近では走る衝撃で鉄分が排出されたり、赤血球が破壊されるためにジョガーに貧血がみられるとの報告があります。したがって、ジョギングを健康におこなうには、適度なミネラル分を補給することが大事です。(これは市販のスポーツドリンクで十分補えます。)また、ほうれん草やレバーなどを摂取して鉄分を補うといった、栄養食事面で留意することが肝要です。このほか、炎天下や早朝では血液が濃縮されたり、血小板の働きが強まるため、血管が詰まりやすくなります。したがって心筋梗塞や狭心症の持病のある人は勿論のこと、一般に中高年の人は炎天下や早朝のジョギングは避けたほうが無難です。したがって、中高年になったら、たかがジョギングといって軽視せずに、かかりつけの医師bできれば内科と整形外科の両方の医師に十分相談しておこなうことが肝要です。

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