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 肩こりの謎―なぜ日本人に多いの?3

4 “肩こり”をきたす基礎疾患について
 単なる肩こりの医学的な説明は以上ですが、背後にある種の疾患があって、肩こりとして症状が現れる場合があります。
1) 脊椎、脊髄、頸肩部の軟部組織の異常
変形性脊椎症、椎間板ヘルニア、腫瘍(原発性肺癌なども含む)
2) 頸肩腕部の感染性炎症性疾患
結核、細菌性化膿症炎症など
3) 慢性関節リウマチおよび類縁疾患
4) 内科疾患
高血圧、心臓病、胃腸障害など
5) その他
目の調整障害、睡眠不足、ヒステリーなど
 これらの基礎疾患が除外できて初めて、“単なる肩こり”であると言えます。逆に言えば、思わぬ重大な病気が潜在している可能性があるのです。“たかが肩こり”と軽くみないで、まずは整形外科専門医を受診して診断を確定することが大事です。

5 最後にb肩こりが日本人に多い謎の答え
 実は日本人、特に女性は欧米人にくらべて、首が細長く、また頸肩部の筋力が元来弱いのです。“鶴のように首が細長く、着物が似合うなで肩の女性”などはその典型です。また、解剖学上頸椎部の脊柱管(脊髄神経の通る骨の管)が狭いため、中高年期以降に少なからず見られる変形性脊椎症や椎間板ヘルニアなどの影響を受けやすいのです。
 そして日本人はテンシション民族といわれるくらい、常に神経が緊張し、ストレスがたまりやすい、またその発散が下手です。(余談ですが、オリンピックでも、負けたら国に帰れないと悲壮感にあふれているのは日本人で、欧米人はあっけらかんとしています。最近は女子マラソンの高橋選手のように明るく笑顔が似合う人も出てきたようです。日本人の民族性も少しずつ変わってきているのでしょうか)

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