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 のどもと過ぎて忘れた頃にやってくる関節の痛みと腫れ
ー痛風の診断と治療2

2 どのように診断するのですか?
 慢性関節リウマチや他の特殊な関節炎と鑑別する必要がありますが次のような基準によれば診断は比較的容易です。
1) 血液検査で血中尿酸値が高い。
2) 1つの関節(最も多いのは母趾の付けの関節)に激烈な腫れと痛みが急におこるが1b2週間でおさまる
3) 関節液中に尿酸結晶が見られる。

3 治療はどのようにしますか。普段の生活で気をつけることは?
 痛風発作自体は消炎鎮痛剤等の服用で治まりますが、本当の治療はその後から始まるのです。すなわち尿酸が組織に沈着しておこる、腎臓・膀胱結石や腎臓障害、心・血管障害等の合併症の予防です。まず、A氏のような患者さんには規則正しい生活を心がけるよう指導します。また、アルコールを控え、食事も摂取カロリーを抑え、プリン体(尿酸の前駆物質)の多い食物を食べ過ぎない等の注意が必要です。次に、薬物療法として血中尿酸を下げる薬を服用します。これは糖尿病と同様に長期にわたる治療となる自覚が必要です。放置しますと、タイトルにありますように、忘れた頃に発作がやってくることになります。また、本当に恐ろしいのはこの様なことを繰り返していくうちに合併症が発症して命にかかわることになりかねないことです。専門医はこのようなことを患者さんに指導しなければいけませんし、患者さんも理解しておくことが大切です。但し、規則正しい生活をし、血中尿酸値をコントロールしておけばこのようなことはありませんので、いたずらに恐れることはありません。大事なことは、この病気の本質を理解することにあります。会社の健診などで“血中尿酸値が高い”といわれたら大変重要な意味があることを理解され、専門医の指導をうけるようにして下さい。

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