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 骨粗鬆症でおこりやすい骨折の診断と治療について2

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症例: しりもちをついて転倒したり、重量物を持ち上げた時に背中や腰に激痛が走り歩けなくなった、あるいは歩くと痛む
治療: 数週間臥床安静により急性期の痛みが改善すれば、できるだけ早期に軟性コルセット装着にて歩行訓練
脊髄圧迫による下肢麻痺などを合併する場合は手術的治療をおこなう

5 上腕骨頸部骨折
 上腕骨の肩関節部の頭の部分の骨折
症例: 肘をついて転倒したあと肩に激痛がはしり肩があがらなくなった
治療: 徒手整復後ギプス固定3b4週間
場合により観血的整復固定術b金属プレートによる内固定あるいは人工骨頭置換術

6 そのほか
 くしゃみをしたあと脇腹が腫れて痛むb肋骨骨折
 #このように高度の骨粗鬆症では軽く打撲しただけで該当部位の骨折をおこすことがあり、このような場合には常に骨粗鬆症にともなう骨折を念頭に置いて診断治療をすすめる必要があるbこれは介護を担当するひとも留意する必要がある

7 治療の大原則
 高齢者に多いため安静臥床はなるべく避け、できるだけ早期にリハビリテーションをおこなう
 そのためには手術的治療の選択を躊躇しない
理由 1) 長期臥床による合併症b痴呆、とこずれ、肺炎などの防止
  2) 関節機能の低下廃絶および筋力低下の防止
  3) 観血的整復固定をおこなうと早期にかつ強力にリハビリテーションを開始できる など

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